(4) 塔体のしくみ 東京スカイツリーの構造

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約3万7000ピースの鉄骨で組まれた塔体

鋼管を三角形状に組み合わせたトラス構造の塔体

鋼管を三角形状に組み合わせた「トラス構造」による約3万7000個の鉄骨を溶接して建てられました。

じょうぶな鉄骨

東京スカイツリーは、たくさんの鉄骨が組み合わされています。

東京スカイツリーの概要
2倍強い鉄骨 細長い形のタワーを支えるために、標準的な鉄より約2倍強い鉄を使った鉄骨を使用しています。
サイズもいろいろ 鉄骨を構成する鋼管も、さまざまな種類のものを使用。最も大きい鋼管は直径2.3メートル、厚さ10センチメートルにもなります。
ばらばらに作って現場で組み立て 鉄骨は、円筒状の鋼管を直接溶接により接合する「分岐継手」という手法が用いられています。国内の19か所の工場で作られ、タワー建設現場で溶接により積みあげられました。
全部で約3万7000ピース 塔体には、合計で約3万7000ピースもの鉄骨が使われました。なんと、組み上げられる場所に合わせて、すべて違う形です。
トラス構造 鉄骨は、塔体を強くするため、基本の鋼管に別の鋼管を三角形状に組み合わせた「トラス構造」でつくられています。
鋼管を三角形に組み合わせた構造体の強度の仕組み
鉄骨同士を直接溶接して接合する分岐継手の詳細

ゆれを小さくするしくみ

強風や地震の影響も受けやすい東京スカイツリーには、ゆれを減らすさまざまなしくみがあります。

東京スカイツリーの概要
1.「心柱」による制振システム「心柱制振」 地震や強風時、心柱は、塔体の鉄骨よりもゆっくりとゆれます。両者のゆれの周期が違うことで、ゆれを打ち消し、タワー全体のゆれを小さくします。また、塔体と心柱の間にあるオイルダンパーは、心柱が塔体にぶつかるのを防ぐクッションのような役割があります。
2.おもり役の制振装置「頂部制振装置」 タワー最上部のアンテナ設置部分であるゲイン塔。その先端には、おもりを利用してゆれを少なくする制振装置「頂部制振装置(Tuned Mass Danper)」が設置されています。
心柱制振システムによる揺れを打ち消すメカニズムの概念図

心柱による制振システム「心柱制振」~ゆれる周期が違うことで全体のゆれを打ち消す

東京スカイツリーは、塔体は鉄骨、心柱(しんばしら)は鉄筋コンクリートでつくられ、それぞれ固有のゆれ方の周期をもちます。タワー塔体よりゆっくりと心柱がゆれることで、2つのゆれが打ち消し合い、強風の時や地震によるゆれを最大50%減らすことができます。

日本の伝統的な塔である「五重塔」は、これまでに地震による倒壊例がなく、その秘密は建物中央の柱である心柱にあるという説もあります。東京スカイツリーで開発した制振システムを五重塔になぞらえて、「心柱制振(しんばしらせいしん)」と名付けました。

この鉄筋コンクリート造の円筒である心柱(しんばしら)は、直径8メートル、高さ375メートルであり、厚さは、高さ100メートルまでが40cm、高さ100~375メートルまでが60cm あります。

五重塔の構造から着想を得た心柱制振システムの比較説明図

提供:日建設計

質量付加機構

地震時などに、構造物本体とタイミングがずれて振動する付加質量(=重り)を加えることで、本体と重りの揺れを相殺させて、構造物全体の揺れを抑える制振システムです。東京スカイツリーでは、心柱=階段室が付加質量になっています。
重り(心柱)を利用して全体の揺れを抑える質量付加機構の仕組み
心柱と塔体の隙間に設置されたオイルダンパーの詳細断面図

心柱概念(揺れ)模型 心柱あり・なしの違い
提供:日建設計

心柱
提供:日建設計

おもり役の頂部制振装置~ゲイン塔のゆれを最大30%減

東京スカイツリーのアンテナ設置部分であるゲイン塔の揺れを低減して電波の送信の品質を確保するために、ゲイン塔の先端に設置しています。頂部制振装置(TUNED MASS DAMPER)は、おもりとバネとダンパーを複合的に使用した制振対策方法であり、おもり(Mass)を減衰器(Damper)とバネを介して取り付け、ゲイン塔全体の揺れとは遅れた周期で揺れるように調整(Tuned)することで、振動を吸収する装置です。東京スカイツリーでは、40tタイプと25tタイプの2基が設置されており、常時2基が稼動します。これはメンテナンス等により制振の能力低下が生じないよう2基に分割して設置するもので、25tタイプのみ稼働の場合でも制振能力を確保しています。この装置によって、ゲイン塔のゆれは最大30%減らすことができます。
ゲイン塔の先端に設置された頂部制振装置(TMD)

オイルダンパー~クッションの役割

心柱とタワーの塔体は分離されており、その間には、オイルダンパーという装置が取り付けられています。この”クッション”のような役割をする装置が、塔体と心柱がぶつかるのを防いでいるのです。
塔体と心柱の間に設置されたオイルダンパー

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[ 1 ] 東京スカイツリーの誕生
  • 東京スカイツリーの建設
  • 「タワーのある街」東京スカイツリータウン
  • 東京スカイツリーが建つ場所
  • 東京スカイツリーの名前
  • 海外からのお客様に向けて
[ 1 ] 東京スカイツリーの概要
[ 2 ] 東京スカイツリーの各部紹介
  • 東京スカイツリーのエレベーター
  • 東京スカイツリーのライティング
  • 東京スカイツリーのデザイン
[ 3 ] 東京スカイツリーの構造紹介
  • まずは未知領域のリサーチからスタート
  • 大樹のような、地盤とのつながり方
  • つないで一体化する鉄骨の工夫
  • 鉄骨造塔体の概要
[ 4 ] 塔体のしくみ
  • 約3万7000ピースで組まれた塔体
  • ゆれを小さくするしくみ
[ 5 ] 高さ634メートルに到達するまで
[ 1 ] 東京スカイツリーの役割
  • 高さ634メートルの決定
  • 電波塔としての役割
  • 展望施設としての役割
[ 2 ] 災害時の役割
  • 大災害時も電波塔としての役目を果たす
  • 東京スカイツリーの構造自体が災害に強い
  • 環境への配慮
[ 3 ] 研究拠点としての役割