国立研究開発法人
防災科学技術研究所

東京スカイツリーを活用した研究について

【 高さ458m地点 】

■雲粒観測(防災科学技術研究所)
高さ458m地点で雲を構成する雲粒の大きさや個数を観測しています。
通常、飛行機などでしか観測が難しい雲内の状況を東京スカイツリーの高さを活かして観測することによって、得られたデータをゲリラ豪雨の早期検出のための雲レーダー開発に活用しています。

■エアロゾル観測(国立極地研究所・広島大学ほか)
高さ458m地点で捕集した大気中の微粒子(エアロゾル)から、主に雲粒の核になる粒子(雲粒凝結核)や雲粒を凍結させる性質をもつ粒子(氷晶核)を分析しています。

雲粒やエアロゾル粒子を観測する機器

雲粒やエアロゾル粒子を観測する機器 458m地点にある観測室に収納されている
(撮影:防災科学技術研究所)



研究について

東京スカイツリーで雲粒やエアロゾル粒子を観測する意義には、以下の3つがあります。

1.人間活動がゲリラ豪雨の発生に及ぼす影響の解明

人間活動によって放出されるエアロゾル粒子は、水蒸気が凝結して雲粒ができるときの核(雲凝結核)になるため、ゲリラ豪雨を強める可能性が指摘されています。東京のように人間活動の活発な場所では、エアロゾル粒子の数が非常に多いので、小さな雲粒がたくさん形成され、それが積乱雲によって上空まで運ばれて凍結し、激しい雨をもたらすと考えられています。私たちは東京スカイツリーでの観測を通して、東京上空に雲凝結核や氷晶核がどの程度存在するかを明らかにし、人間活動がゲリラ豪雨に及ぼす影響を解明するための基礎データを取得しています。

2.雲が気候変動に及ぼす影響の解明

雲は太陽放射を反射するとともに、地面からの赤外線を吸収するので、地球を冷やす効果と暖める効果の両方をもっています。雲が太陽放射をどの程度反射するかは、雲粒の大きさや個数に依存しています。東京スカイツリーでの観測を通して、その実態や季節変化を明らかにし、気候変動予測モデルの検証に役立てていきたいと考えています。

3.地球観測衛星や雲レーダの検証

現在、宇宙から雲を観測するため、雲レーダ(雲粒を観測するレーダ)を搭載した地球観測衛星の打ち上げが計画されています。また防災科学技術研究所では、積乱雲を早期に検出するための雲レーダの試験運用を行っています。 雲レーダによる観測にはグランドトゥルース(比較検証のためのデータ)が必要になるため、東京スカイツリーで取得された雲やエアロゾルのデータの活用が期待されています。


研究者からヒトコト…

地上から撮影した東京スカイツリーへの落雷

装置を説明する防災科学技術研究所 三隅様

雲の中に入って観測することは、気象研究者の私にとって長年の夢でした。東京スカイツリーのおかげで、自ら雲の中で観測することができて、とても幸せです。今まで得られなかったたくさんのデータを得ることができ、うれしい悲鳴を上げながら解析をしています。
(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 三隅良平)


紹介動画(東京スカイツリー公式YouTube)