国立研究開発法人
国立環境研究所

東京スカイツリーを活用した研究について

【 高さ250m付近 】

■大気中二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス観測(国立環境研究所)
高さ250m付近で2016年3月より大気中の温室効果ガス(CO2、メタン等)と関連物質(炭素同位体、酸素、一酸化炭素、等)の観測を行っています。
世界最大の都市である東京からのCO2排出量を排出源別(植物の呼吸から出たものか、化石燃料を燃焼して出たものか)および燃料別(天然ガスか、石油か)に推定することが可能になると期待できます。

大気採取口

大気採取口

(撮影:国立環境研究所)


研究について

地球温暖化などの気候変動への対策として、2015年に採択されたパリ協定では、今世紀半ばまでに温室効果ガス排出量※を実質的にゼロにすることが各国間で合意されました。我が国では、2018年度の温室効果ガスの総排出量は12億4,000万トン(CO2換算)ありますが、2050年にこれを実質ゼロにすることを目指しています。
温室効果ガス排出量が増えると、大気中の温室効果ガス濃度が増加します。これまで、大気中の温室効果ガス濃度の観測は、排出源から離れた「きれいな場所」で行われてきました。これは、「温室効果ガスがどれくらい増えているか」(きれいな場所で増えているということは、地球全体で増えているということ)や「自然による温室効果ガスの吸収や排出はどれくらいか」などを知るためです。国立環境研究所でも、北海道落石岬、沖縄県波照間島、富士山頂などで大気観測を行っています。
一方、東京スカイツリーで観測される空気は、東京大都市圏で排出された温室効果ガスをより多く含んでいます。この濃度変動を分析することで、「我々は都市活動でどれくらい温室効果ガスを排出しているのか」を知ることを目的としています。また、これから脱炭素社会が進み、都市からの温室効果ガス排出量が大きく減った時に、その効果は大気中の温室効果ガス濃度の減少傾向として現れるので、削減効果を検証する役割も期待されています。

東京スカイツリーでの温室効果ガス測定について、以下の解説もご覧ください(外部サイト)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170727/20170727.html
https://taiwa.nies.go.jp/colum/skytree.html

国立環境研究所の温室効果ガス観測については、こちらをご覧ください
(外部サイト:国立環境研究所 地球環境研究センターWebサイト)
https://www.cger.nies.go.jp/

※温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄などを指します。日本では、温室効果ガス排出量の91.6%がCO2で、CO2排出量の94.9%が発電、自動車、業務と家庭などでの燃料の燃焼によるものです(日本国温室効果ガスインベントリ報告書2020年)。


研究者からヒトコト…

装置を説明する国立環境研究所 寺尾様の画像

装置を説明する国立環境研究所 寺尾様

東京スカイツリーにお越しの際は「私たちの生活から出ているCO2をここで観測しているんだな」と思い出していただき、気候変動の現状とCO2削減について積極的に意識してもらえたらと思います。そして、我々の温室効果ガス観測研究の良き理解者になっていただけたら幸いです。

私のイチオシは、東京スカイツリー公式キャラクターのソラカラちゃんです。ぬいぐるみもいいですが、実物の方がもっとかわいいですよ。
(国立研究開発法人 国立環境研究所 寺尾有希夫)


紹介動画(東京スカイツリー公式YouTube)