デザイン
江戸で育まれてきた心意気の「粋」、美意識の「雅」、賑わいの「幟」という3つのオペレーションが1日毎に現れる新しいスタイルのライティングで、今日に続く明日、明日の先に続く未来を表現しました。随所に江戸の原風景を継承するデザインを取り入れることで、タワーの立つ下町の歴史文化を表します。
展望台の上部に並ぶ流星のようなきらめき。一定の速さで周り続けるこの光は、過去と未来を結ぶ時を刻む光を表現しています。
タワーの頂部を照らす光は、空に向かってたくましく伸び、私たちの夢や希望を乗せて、宇宙に向かって力強く輝きます。鉄骨を照らす光は、タワーのもつ「そり」と「むくり」の美しさを際立たせます。
日本の美意識のもと下町の歴史や地域性とともに時代を象徴する計画となるべく、陰影の美しさによって表現されたデザインと合わせて、地球環境に配慮した照明計画であるべきと考え、オールLEDで計画を行い、省エネルギーと美しさを両立するデザインとしました。
オールLED化実現による優れた演出性が期待できるほか、省エネルギーのLED照明を採用したことで、より環境に配慮したタワーとしてのメッセージを発信いたします。
パナソニック株式会社「EVERLEDS TOKYO SKYTREE & LED PROJECT」
戸恒浩人(とつね ひろひと)氏
他 住宅、商業施設、オフィスビル、ホテルなど多数
江戸から東京へと受け継がれてきたこの都市の歴史を見ると、全国から集まってお互いに切磋琢磨しあう人々の姿がいつも主役になっています。江戸幕府以降、日本の中心として繁栄し、昔の文献や絵画には、街の歴史や文化、そこに暮らす人々のコミュニティや生活が生き生きと描かれています。
私は、東京のシンボルとなる新しいタワーを、この街とともに人々が育んできた心意気の「粋」と、美意識の「雅」で包みたいと考えました。下町に根ざし、天まで届きそうに高くそびえる東京スカイツリー。永遠に続く江戸の心を光で表現し、過去100年未来100年、みんなの心に届く光をデザインしたいと思います。